芸工展2019
  1. TOP
  2. 実行委員会日記
  3. 番外編。宣伝部と原文。

番外編。宣伝部と原文。

お早うございます。
雲一つない<そんなでも、なかった。あった、雲。>晴天が続いております。
窓から差し込む陽射しが、贅沢に痛い。
実行委員のさめちゃんなら、傘を刺す。

ぼくは、このパソコンごとベランダに出て、文字を打ちたいところです。

今日は、昨日の続きで番外編です。
宣伝になりますが、芸工展及び芸工展の主旨に添う事柄ですので、しっかりとお伝えしておこうと思います。

 このお話を頂いたのも、毎年芸工展にも参加され、様々な活動をされているブリックワンのダンサー熊谷さんからです。

 今回、ご紹介するのは
 11月の1日に、旧東京音楽学校奏楽堂にて
17時から、パイプオルガンとチェンバロの
演奏会です。大塚直哉さんによって開かれます。

 なぜ、これを宣伝するかと簡単に云いますと
もう、オルガン古いから廃棄にしましょう。
とお上は、云ってます。
でも、大塚さんは、いやあ何とか他には無い、この音色を後世に伝えて行きたいので、使わせて下さい。
なんてったって、我が国最古のオルガンなんですよー。どうして、そう簡単に廃棄なんて、こと云うんですか?こんな素敵な音聴いたことあります?

 ということです。ですので、修繕しながらこのオルガンを守って行きましょう。的な、どこか古民家再生ぽいことになっているのです。

 ぼくが、前回行かせて頂いた時の模様を纏めたものがあります。さっぱりしたものを地域雑誌谷根千に投稿させて頂きました。
 ですが、今回は紙面の都合上全文べったり載せます。
 気が向いたら読んでくださいね。
そして、是非生で音を確認してほしいなあと願っております。
 ぼくのこの、拙い文章ではまったく伝わらない部分がありますので。

 秋の終わりに是非良い気分転換致しましょう。

前売りチケット3000円。
ご予約、お問い合わせ
オフィス アルシュ
03−3320−2274

——————–

チェンバロとパイプオルガンの夕べ。

予想もしていなかった、奏楽堂のバロックシリーズVOL.49コンサートへ行くこととなりました。

人と人との巡り合わせや出逢いに感謝致します。この場をお借りして熊谷さん、村山さん有り難うございます。

何年ぶりだろう?しかもなぜ?虚無僧尺八の僕が?クラシック音楽?
ここ奏楽堂に以前は何を聴きに行ったのかさへ憶い出せない、、、。
このバロックシリーズは老朽化して、廃棄になるかもしれないというパイプオルガンの音色とチェンバロの響きを聴くという内容らしいです。
席につくと、既に舞台上の真ん中にあるチェンバロは、チューニング中でありました。なかなか大変そうで、専門の方がずーと調律しています。
チェンバロはピアノに似ているけれど、金色に淵がカラーリングされていたりして派手派手で、独特の外観をしていました。
注意してこういう楽器を観たり、聴いたりしたことが無かったのですがおそらく、生で観るのも聴くのも初めてかと思います。

いよいよ開演。

演奏者は4人で、大塚直哉さんという方が、全体の解説とパイプオルガンとチェンバロを弾かれます。
他にセロの男性とバイオリンの女性が、2名という構成でした。

前半は、チェンバロとバイオリン、セロの合奏。
チェンバロは、ピアノとは違い、弦楽器の軽くシャキシャキ、パラパラという様な独特のエッジの利いた音がしました。軽いのですが涼しい、少し爽やかな音がしました。
木琴がピアノならば鉄琴に近いという感じでしょうか。
ただ、音量が小さい為他の楽器と混ざると殆ど聴こえないこともしばしばありました。
あまり伸びない音のものだから、軽快なリズムの曲には良く合っていて、なんだかタイムスリップした気がしました。何度もスカートの膨らんだ西洋人やシルバーヘアカツラを冠った女装男性?を想い描いたりしました。
表現が荒くてすみません。

普段クラシックを意識して聴かない者だから、曲目紹介やなんかが、圧縮されて何曲か一気に演奏されたあとに、大塚さんの優しい解説が入りました。
拍手のタイミングやら、新鮮な感覚がそこかしこにありました。
演奏者の男性陣は、モーニングに蝶ネクタイ。女性陣は、肩がしっかり出たドレス。コスプレぽい違和感をおぼえたのは、僕だけであろうか。
素晴らしい演奏家の方がたでしたがバイオリンの野口千代光さんは、凄かった。
まず、一音がでかい。ふくよかでドレスに収まりきらない女性らしい躯を通じて発せられるバイオリンの音色は、強く激しい荒波から繊細な草花までも思い起こさせ首根っこを引っ張られ、はなさなかった。
ぼくは思うのだけれど、楽器でも何でも相手のこころを揺さぶる、危うくさせる様な人は、凄いなあと嬉しくなりました。どんどん、その横顔が輝いて見えました。
たしかに、その楽器の持つ独特の説得力もあるけれど最大重要なのは、演奏者の姿勢であってこころだと
改めて確信しました。一方のバイオリニストの山本さんは、タイトなシルエットどおりひりひりする様な、キレのある音を奏でていて、2人の音が合わさると絶妙にまあるくスピード感の有る音が客席に届きました。
セロの羽川さんは、ミス無く落ち着いた演奏を貫いており確立された自信を僕は垣間見ました。
普段は、どういう生活を送ってるのかなあと興味が湧きました。
普通にご飯とみそ汁なのかなあ?とか。
たたみかけるように、何曲も演奏して前半は、おしまい。

15分程休憩をはさんで後半は、いよいよパイプオルガンの登場です。
場内は、熱気が立ちこめる程で、ジャケットを久しぶりに着用したのだけれど、汗がでるくらい暑かった。

パイプオルガンの詳しい説明を大塚さんが丁寧にさーとしてくれたのだけれど、要約<出来てるのか?>すると空気式アクション機構という、1階で弾いて2階にその空気が流れてそれで音が、リアクションして奏でられるという様なオートマチックにデイレイの掛かるものらしいです。
間違っていたらご免なさい。また、手元の資料には大正9年に徳川頼貞候がエゲレスから購入寄贈とありました。我が国最古のコンサート用オルガンともあります。
これを廃棄処分にするというのは、いかがかと思います。
また大塚さんはこのオルガンの機嫌次第のところもあり、全部音が鳴るか解らないという。ここのところ調子が良いけれど、、、。しかし、鳴らなければ、鳴らないなりに弾き継いでいきたいと。
ぼくは、こういう大塚さんの<足るを知る。>禅みたいな考えが好きです。また、古くても良い物は大切にしたいものです。インスタントな、その場しのぎのものや関係の溢れる現代2008年において、凄く象徴的で、大切なまさにわたくしたちの問題であります。

いよいよそのオルガンの音が鳴り出しました。腹話術のように、大塚さんの押した鍵盤のタイミングと絶妙にずれて、舞台全体から柔らかな音が降り注いできました。
これは、大塚さんが保存を訴える訳だと素人の僕も合点しました。聴いた事のないまろやかな音色が、かまぼこ型の天井に昇りぴったりハマって行きました。また、客席の床や壁にぎっしりと詰まった藁束もその音色を美味しそうに吸い込んでいるようでした。
奏楽堂全体が、大きな喜びの歌声をあげてるようでもありました。
バイオリンやセロとも若干のズレがあり、木霊してる様で一層新鮮かつ趣のある曲に聴こえました。

オルガンが生きている!と思えました。優しい思いやりのある一押しが、何倍にもなって返ってくる。応えてくれる。そんな感じがしました。
パイプオルガンのまるで重厚な絨毯のような音の上を舞う様にバイオリンの絹の様な音色が鳴り響き、後から飛び過ぎないように、セロか引き止めてくれてました。
4人は、安心して集中して音の洪水に僕らを案内してくれました。パイプオルガンも使う事で良く鳴っていくと、大塚さんは希望を持ってましたが、ほんとそうだと思います。
今日は、調子良いみたいです。と大塚さんが云いました。
有り難うございます。感動してます。と僕も思いました。

アンコールに至るまで、何度も舞台袖に引っ込んだり、出たりしながら充実感に満たされた4人が拍手に抱かれていました。全員の表皮にうっすらと透明な汗がひかり、コスプレの様な違和感は消えておりました。また、うしろに控えている1379本の無言のパイプも、しゃんと誇らしげに笑んでいる様でした。

たっぷりと演奏を楽しんだあと、熊谷さんはわざわざ僕を、大塚さんに紹介して下さいました。
時代や国境を超えた何かを大切に後世に伝え楽しめる様大塚さんは、6月、7月と演奏活動、チェンバロのワークショップ等も開催し精力的に励んでいるようです。
僕もこの主旨におおいに賛同し上野や谷根千地区でもチェンバロ、パイプオルガンを弾き続けることのできる環境や度量の大きな文化のまちになるように祈ってやみません。
そして、この様な本気で大人も遊べる有形無形文化財が失われない様多方面で尽きぬ活動をしていきたいです。
芸工展実行委員K