ctrl+S

「ぎゃっ!」。深夜三時。根津のとある家に、男の叫び声が響き渡る。この男は毎年十月に行われる、谷中芸工展の実行委員を務めているが、この日はガイドマップの編集作業に取り組んでいた。

パソコンでの作業は、一種の麻薬的中毒性がある。作業を始めた時は面倒臭くて嫌なのだが、地味な作業をコツコツと進めていくうちに、ある段階から取り付かれたようにノッテくる時がある。フト気が付くと、朝まで何時間もぶっ通しで作業をしていた、なんて事になってしまう。

この日の男がまさにその状態。黙々と文字を打ち続け、深夜三時頃、ようやく作業の終わりが見えてきた。その時、「ブツッ!」。暗い部屋にボンヤリとした光を放っていたパソコンのディスプレイが、突然真っ黒になってしまった。・・・電源が落ちたのだ。

男の頭の中は一瞬、パソコンのディスプレイと共に真っ白ならぬ、真っ黒になってしまう。「俺、ちゃんと保存してたっけ?」。慌ててパソコンを起動し直す。・・・全く保存をしていなかった。「ぎゃっ!」。

というわけで、「男」とは当然私の事なのですが、泣きそうになりました。今、深夜四時半です。幸い、今まで掛かってようやくデータを元の状態まで持ってくる事が出来ました。やはり「ctrl+S」は癖のようにしておかないと駄目ですね。

皆さん!保存は計画的に!(下らない話でスミマセンでした)

<実行委員 I>

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